このたび、桐丘学園は大学名の変更や新キャンパスの設置という創設以来の大きな決断をしました。それらを実現できたのは、在校生や保護者、行政、地域のみなさまのご理解とご協力、そして、学園内に同じビジョンを共有できる仲間（教職員）の存在があったからです。これからの時代、学校運営は「まちづくり」をしなければ、生き残れないという想いをもっていました。まちづくりのために教育が貢献できることがある。同時に、まちの人びとが、学校を育てていく。今回の広域学園都市構想は、そうした考えのもとに生まれました。
　このチャレンジに不安がないと言えば嘘になりますが、120年を超える学園の歴史の中で、歴代の理事長たちは何度も大きな決断をしてきました。その事実が私の背中を押してくれたのです。結果はどうなるかわかりませんが、学園、地域、また日本の未来のためにやらない選択肢はない、普通ではできないトライにこそ価値があると考えています。人生に限りがある中、「日本の未来に光を照らしたい」という想いで、100年後を見据えながら今をダッシュすることが大事だと考えています。
　「ぐんま未来大学」では、ステートメントを「ぐんぐん、まっすぐ、希望を照らせ。」としました。日本のあらゆる地域の未来に希望の光を照らしていきたいという願いが込められています。我々が、学校とまちづくりの新たなモデルをつくり、まち全体を学びのフィールドとして、サイエンスとアートを融合させながら教育を展開していきたいと思います。
　そして、学園創設者である長澤幹子先生の口癖だった「なさいませ。」というフレーズ、現代風に表現するならば「やってみてごらんなさい」でしょうか。この言葉を胸に、我々は、学園としてこれから未曾有のチャレンジをします。100年後、多くの方から「当時の人たち、よくぞやってくれた」と感謝されるためには、今こそ建学の精神「社会に出て役立つ人間の育成」に立ち返り、チャレンジ精神を発揮するときだと思います。どんどん、できることから、実行していきます。